11月の初めに「加齢による摩耗」について先生と話をした。
毎日のように高齢者と会う仕事をしている自分にとって「摩耗」というキーワードは現実であり、未来に感じる。
そして、帰宅後にJean Hubeauの演奏を聴いた。
これはフォーレが76歳の時の作品。
この若々しい感情の渦は摩耗とはかけ離れた世界だった。
人生は環境がすべてと言ってもいい。
その中で人間ができるのは知識の継承であり、火種を分け与えて、時の風がそれを燃え上がらせるのを待つこと。
この音楽の喜びをスピーカー越しではなく、目の前の楽器から響く音として聴かせられるように頑張ろうと思う。