虫の音が秋の夜を告げた。
過ぎ去った季節を振り返る侘しさ。
それを「郷愁」と呼んでいいのかはわからない。
ただ振り返る季節の数が多くなったから、そう感じるのかもしれない。
この季節に良く聴いていた曲を聴いてみようと、ふと思った。
それがこの「Everything Must Go」だった。
アルバムのタイトル曲で、彼らの最後に相応しい幕の閉じ方だった。
過ぎ去ったものに宿る残魂に惹かれる。
その魂の美を見抜く術を身に付けるのが人生の目的であるようにも感じる。
どう残すかはブラームスのようであってもいい。リストのようにあってもいい。
音楽の雄弁さは年代記として美しい。
何はともあれ、四季の訪れを感じる場所に住んでてよかった。